~~~ おばあちゃんと孫の物語 ~~~
その昔、
おばあちゃんと孫のいる国から
少し離れたところに
とても貧しい国がありました。
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その国では争いが絶えず、
食料もほとんどなく
荒れ果てていました。
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そんな様子を知ったおばあちゃんが
孫にこのように告げます。
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「この稲を持って、人々を助けなさい。
民を飢えさせてはいけません。」
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孫は、おばあちゃんの言葉に従い
自国を離れてその荒れ果てた国へと
船で向かいます。
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到着した孫は、
おばあちゃんに言われたように
必死に稲をその国に配り回り、
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国の者たちも一体となって
稲を育てていきました。
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孫は、その後も
その国を渡り歩いては稲穂を配り
育てることを繰り返していきました。
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そのようにして、
この荒れ果てた国は
少しづつ豊かさを取り戻し、
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数年後には、
毎年稲穂が立派に実る
平和な国になりました。
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この間、孫は
決して稲を渡してくれたおばあちゃんへの
感謝の気持ちを忘れませんでした。
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さらに、
年に一度の収穫が終わったときには、
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“今年も無事に新穀を得ることができた”
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とその恵みに感謝をするとともに、
おばあちゃんに手を合わせながら
新米を美味しくいただきました。
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この感謝を伝える儀式は
毎年行われ、
親から子へ、子から孫へと
受け継がれていきます。
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こうして、
恵みに感謝をするこの国は
世界で一番長く続く国になりました。
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王朝が一度も途切れることなく続いた
世界最古の国・・・
その国こそ、我が国「日本」でした。
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そして、このおばあちゃんとは
天上の国・高天原に住む「天照大神」
孫とは「瓊瓊杵尊」(ニニギノミコト)であり、
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この物語が記されているのが、
「古事記」です。
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この新嘗祭の起源は、
天照大神の孫である
瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)が
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神々の世界「高天原」から
稲とともに地上の世界へと降り立つ話
「天孫降臨」にありました。
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そして、
毎年、恵に感謝を示す行事「新嘗祭」は
今もなお続いています…
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<ダイレクト出版メルマガより>
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